許可後に介護タクシー事業所に課せられる報告義務まとめ
介護タクシー事業所に課せられる報告義務は輸送実績、交通事故の2点です。輸送実績は毎年一回、交通事故は事故から24時間以内かつ結果報告は30日以内となっています。
タクシーの開業許可を取得するためにはまず申請書を提出する必要がありましたね。
許可が取得出来れば、それで書類作成は終わり。
とはなりません。
許可後も事業所は報告義務が課せられ、それは書類で報告します。定期的に報告するものもあり、これらを怠ると行政上の手続きの瑕疵となり変更受付等の書類が受理されなくなる可能性も。
事務手続きが苦手な方からしたら嫌な情報ですが、義務なので必ず責任は果たしましょう
この記事を読むことで介護タクシー許可取得後の報告義務について知ることが出来ます。
報告義務がある2つのこと
介護タクシー事業所が報告を義務付けられているものは大きく2つに分けられます。
①輸送実績
②交通事故
それぞれ見ていきましょう。
輸送実績
輸送実績とは文字通り輸送に関する実績です。
毎年5月31日に報告します。報告する実績は当該年度の4月1日〜3月31日時点での実績になります。
個人事業主の事業年度は1月~12月31日ですが、関係なく3月31日を基準としています。
開業1年目でも時期によれば、輸送実績の報告書をすぐ報告しなくてはいけません。(例2016年の2月1日に開業⇒2016年の5月31日までに2/1~3/31までの輸送実績を報告)
輸送に関する書類は次の2つです。
・輸送実績報告書
・移動等円滑実績報告書
提出日は5月31日と共通しています。
書き方は許可申請書よりは難しくありません。東京都運輸支局が公開している両方の見本を載せます。
輸送実績報告書
許可証の交付の際に講習を受けますが輸送実績の記録は義務付けられています。その記録を基に記入するということです。
輸送実績報告書は以上です。
移動等円滑実績報告書
介護タクシー事業に使用した車両の所有台数と来年の事業計画を記入します。
福祉車両を事業に使い、歩行困難者にサービスを提供出来ているかということの報告です。ちなみに兼用車とは車いすとストレッチャーの両方に対応出来る車両です。
cf.画像が読みづらい人はPDFをダウンロード下さい。
・輸送実績報告書
介護タクシーの交通事故報告
交通事故をおこしてしまった場合、警察には当然ですが運輸局にも報告義務が生じます。
事故発生から24時間以内です。これを交通事故速報義務と呼びます。
もし土日に事故を起こしてしまったら、運輸局は閉庁していますね。連絡はつきません、どうすればいいのでしょうか。
その場合、FAXで報告をします。必ず24時間以内に報告しましょう。電話に出ないから報告が遅れたでは通用しません。
報告する事故の規模
交通事故と言っても、被害の大小はそれぞれです。
全ての交通事故を報告しなくてはいけないのでしょうか。
そうではありません。報告義務が生じるものは、運送法29条を根拠に自動車事故報告規則に列挙されています。
以下、例をあげます。
・自動車が転覆、転落、火災を起こしたとき、踏切で鉄道車両と接触(衝突)した場合
・事故により鉄道、高速を3時間以上通行止めにした場合
・酒気帯びや飲酒運転、居眠り運転が原因で事故をおこした場合
・死傷者、重傷者をだした場合
・扉の装置を誤って操作し乗客に傷害が生じたいもの
・運転手の疾病により運転が出来なくなること etc
つまり重大な事故の場合、24時間以内に報告義務が生じるとお考えください。
結果の報告義務
残念ながら上で挙げた事故をおこしてしまい、24時間以内に運輸局に連絡しました。
それで連絡義務は全て果たしたのでしょうか。
そうではありません。
その後、加害者や被害者、弁護士、保険会社、警察など関係機関を交え事故の解決を図ります。
その結果を30日以内に報告しなくてはいけません。つまり事故を起こしてしまった報告と事故の収束結果も報告する必要があります。
事故を起こしてしまっら動揺して運輸局の報告に頭が回らないかもしれません。しかし義務が課せられていることは忘れないでください。
メモ書きでもいいので必ず24時間以内に報告しましょう。
まとめ
・輸送実績報告は毎年1回、5月31日までに行う
・事故は24時間以内に発生の報告をして、結果は30日以内
・報告をしないと新たな書類が受理されない
国は許可後も、事業所に報告義務を課します。
事業を安全に継続していて、今後も重大な事故を起こさないように事業所の体制を把握するためです。
テレビでもバスやタクシーで大きな事故があれば、委員会が自己の検証をしていますよね。それは国が日本国民の安全を守る義務があるからです。許可を与えておいて、あとは好き勝手にして下さいというわけにはいきません。
以上が許可業者に課せられる報告義務です。
あわせて、こちらの『介護タクシー開業許可後に注意したい3つの遵守事項』をご覧ください。
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