介護事業の開業候補地域の決め方と気を付けるポイント
介護事業で独立する地域を選ぶ際の重要な調査項目をまとめました。既に公開されている情報で出来るものなので、開業エリアを決めかねている人は読んでみて下さい。
介護事業で独立する地域はすでにお決まりでしょうか。
開業地域により介護事業の成功が大きく左右されます。
最低限のマーケティングを行ってから物件を契約しましょう。
この記事を読むことで介護事業の開業候補地を決める最低限のマーケティング方法を知ることが出来ます。
介護事業の開業候補地の決め方
介護事業の開業候補地の決め方としては次のことをまず調査しましょう。
・高齢者人口の推移
・要介護者等の数
・既存事業所数
一つずつ確認しましょう。
高齢者人口の推移
事業を始めるということは今後何年もその事業を続けていくということです。
利用者となる要介護者等がいなければ事業として継続出来ません。
市役所のホームページなどで人口の推移を確認しましょう。特に60才以上の人口推移を確認しましょう。要介護認定の対象者は65歳以上からですが、会社を退職してすぐに要介護という方はあまりいません。
要介護(要支援)の認定を初めて受ける年齢は75歳頃からと言われています。
現在75歳以上の人口が多いことも多いですが向こう何年かの75歳以上の人口の推移も重要な決めてです。
同時に開業候補地の地域の人口の推移も確認しましょう。年齢関係なく人口が減ってきている自治体は、新規開業するという点では良いとは言えません。少なくとも人口減の理由を明確にしましょう。
要介護者等の数
利用者がいないと事業として成立しません。利用者の数が多いほど新規参入の成功の可能性が高まります。
開業日時点で多くの利用者がいることが望ましいことは言うまでもありません。
高齢者人口の推移と同じじゃないか?
と思われましたか。違いますよ。
介護事業の利用者は高齢者ではなく要介護認定されている人です。認定されていなければなりません。
事業として見た時に高齢者が多い地域でも要介護認定を受けている人が少なければ、新規参入は一旦考える必要があります。
必ず開業候補地の要介護度と要介護者数を調べましょう。調べ方は独立行政法人福祉医療機構のこちらから調べられます。
既存事業者数の確認
開設予定意地域の介護事業所の数を調べます。
オススメの調べ方は地図を購入して事業所がある場所に印をつけます。そうすると事業所が偏在しているエリアが見つけられます。
事業所が集まっている所は需要が高く、利用者数も多い地域なのでしょう。
地図で事業所を確認出来たら、それぞれの事業所のコンセプトを調べましょう。例えばデイサービスであれば事業所の規模や機能訓練など事業所によりマチマチです。
デイサービスが既に多い地域だから新規参入は出来ない!ではなく自社が提供するサービスが他社と比べて差別化が出来て需要があるのかが大切です。
コンセプトという観点でその地域に新規参入できるチャンスが見えてきます。
以上が開業候補地を決めるマーケティングです。
地域のケアマネさんと仲良くする【番外編】
上で述べた方法は全てデータです。
データなので実際の現場の声は反映されていません。少し心細い気もしますよね。現場を知っている人はだれでしょうか。
それは地域のケアマネージャーです。ケアマネさんに自分が始めようとする介護事業のコンセプトを話してみましょう。
思わぬ発見があるかもしれません。では地域のケアマネさんとどうすれば話が出来るでしょうか。
どの地域にも地域包括支援センターがあります。
地域包括支援センターとは住民の心身の健康保持及び生活の安定のために必要な援助を行う機関です。介護だけでなく医療も取り扱っており住民の暮らしやすさを構築を目的としています。
そこには必ずケアマネージャーがいます。実際に足を運んでケアマネージャーに相談してもいいでしょう。
もしくは地域包括支援センターが主催するボランティアに積極的に参加しましょう。
ボランティアは仲良く出来るチャンスです。将来的に利用者を紹介してもらえるかもしれません。
まとめ
・人口推移、要介護者などの数が大事
・地図で既存事業所に印をつけ可視化し、コンセプトを調査する
・地域のケアマネさんと仲良くする
いかがでしたでしょうか。
地域により介護サービスのニーズは異なります。自社が提供するサービスは他社と差別化されて、利用者数は確保できる地域なのか。必ず調査しましょう。
これからの介護事業は自社ごとにコンセプトを持たなければ如実に生き残れない時代になると思います。
介護事業は儲かりすぎていると判断されると介護報酬が減らされるからです。利用者に選んでもらう理由が大事になります。
明確なコンセプトを通じて地域に必要と思われる事業所になれると思えれば、独立する地域として適していると言えるのではないでしょうか。
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当サイト監修
行政書士として各種許認可を中心に年間300件の相談を受ける。
特に介護行政の手続きには力を注ぎ、許認可取得のアドバイスから開業後のコンサルタントまで幅広く活動。
上田貴俊行政書士・社会保険労務士事務所
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