訪問介護事業所としての指定要件を分かりやすくまとめた
訪問介護事業を始めるためには指定を受けなくてはいけません。要件は法人格、人員基準、設備基準の3つに分けられます。記事内でご確認ください。
訪問介護事業事業を始めるためには許可を取得しなくてはいけません。
介護事業では許可とは言わずに指定といいます。つまり介護事業所を始めるためには国から指定を受けなくてはいけません。
指定を受けるためには要件を満たす必要があり、申請書類でそれらを証明します。
これから訪問介護事業の指定を受ける予定であれば、このページに書いてある要件を満たせられるかを確認しましょう。
このページを読むことで訪問介護事業の指定要件を知ることが出来ます。
指定を受けるための要件
訪問介護事業の指定を受けるための主な要件は次の通りです。
一つずつ確認しましょう。
法人格を取得する
介護事業所として指定を受けるためには法人格であることが条件です。
個人事業主では訪問介護事業所としてい指定を受けることは出来ません。法人格とは株式会社に限らず合同会社、NPO法人等が上げられます。
設立時に1番注意して欲しいことは定款の事業目的です。適切な事業目的が書かれていないと指定を受けることが出来ません。
訪問介護事業所として指定を受けるためには最低でも次の2つを事業目的に記入しましょう。
・訪問介護
・介護予防訪問介護
他の介護事業も始める予定があれば、定款に入れておきましょう。
人員基準
訪問介護事業所として指定を受けるためには、有資格者などの配置が求められます。
訪問介護事業所の人員基準は次の通りです。
一つずつ確認しましょう。
管理者(訪問介護事業所の責任者)
管理者とは、訪問介護事業所の責任者です。
特に資格者である必要はありませんが、常勤でなくてはいけません。手引には常勤専従とありますが、サービス提供責任者と兼務することが一般的です。
常勤専従とは『介護事業の指定申請用語の解説~常勤・専従~』でご確認ください。
サービス提供責任者
サービス提供責任者とは、分かりやすくいうと訪問介護員のリーダーです。
事業所が訪問介護事サービスを提供する時間帯に必ず一人以上いなくてはいけません。(利用者の数により配置人数は異なる。)
リーダーなので一定以上の資格を持っていないとサービス提供責任者になることは出来ません。該当資格は次の通りです。
自治体により、資格者の基準は異なりますのでご注意下さい。
サービス提供責任者は管理者と兼務することが一般的です。また営業時間中、常勤換算方法で常に一人以上いるのであれば非常勤の人でもサービス提供責任者として認められます。
詳しくは非常勤でもサービス提供責任者になれる?減算はない?その要件とはをご覧ください。
開業時はとりあえず1人いれば大丈夫ですが、中長期的な目線で考えれば最低2人は欲しいです。雇用するスタッフに上記の資格を取得させましょう。
注意点としてはサービス提供責任者がヘルパー2級の人だと介護報酬が30%減算されることです。ヘルパー2級は現行の介護職員初任者研修修了者ですね。
実務者研修まで修了した人をサービス提供責任者として配置しましょう。
訪問介護員
訪問介護員も有資格者でなくてはいけません。以下、訪問介護員の資格一覧です。
これから介護の資格を取得する人は介護職員初任者研修を受講しましょう。介護の入門資格として位置づけられているからです。また自治体によっては、資格取得をサポートしています。
指定を受けるためには、上記の資格者が一人いればいいというわけではありません。常勤換算方法で2.5名以上必要です。
人員基準の要件は以上です。
設備基準
訪問介護事業所の指定を受けるためには営業所が必要です。
特に面積等の要件はありません。
重要なことは利用申込の受付、相談等に対応するのに独立したスペース、いわゆる相談室があることです。
利用者のプライバシーが確保され、鍵付きの書庫等を置けば問題ないでしょう。
相談室と別に事務室も必要です。
事務室には人数分の机とイスとパソコンを置きましょう。あとは手先を洗う消毒液を常備することが義務付けられています。
以上が訪問介護事業所の指定要件です。
まとめ
・法人を設立して、適切な事業目的を記載する
・サービス提供責任者が介護職員初任者研修修了者だと減算
・訪問介護員は常勤換算方法で2.5名以上必要
以上が訪問介護事業者として指定される要件です。
この要件は申請書を提出する時点で満たしている必要があります。当然ですが指定を受けるまで、事業は開始出来ません。指定が下りるまで2ヶ月ほど期間がかかります。人件費や営業所の家賃などのランニングコストはどうしてもかかりますので資金面はご注意下さい。
ちなみに介護タクシー事業所が介護保険と連動した介護タクシーを始めるためには、訪問介護事業の指定を受ける必要があります。通院等乗降介助の体制届出を義務付ける自治体もありますので事前にご確認ください。
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当サイト監修
行政書士として各種許認可を中心に年間300件の相談を受ける。
特に介護行政の手続きには力を注ぎ、許認可取得のアドバイスから開業後のコンサルタントまで幅広く活動。
上田貴俊行政書士・社会保険労務士事務所
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