【介護タクシーで開業!】開業時、よくある質問TOP10

まとめと要約
この記事はYouTubeで配信している「【介護タクシーで開業!】開業時、よくある質問TOP10」の内容を文字起こししたものです。
介護タクシーで開業する際のさまざまな疑問について、私がこれまで受けてきたお問い合わせ内容をもとに10項目にまとめました。皆様の疑問・不安の解消にお役立て下さい。

 
今回お話しするテーマは「介護タクシーで開業!!よくある質問TOP10」です。

ありがたいことに、今まで数多くのご依頼・ご相談を受けてきました。パッと振り返ってみると、地域、時期、年齢関わらず、よく受ける質問があることに気づきました。

そこで!!

今回はテーマにある通り「よくある質問TOP10」という形で質問をピックアップし、それにつき回答いたします。これから開業される方の疑問解消に少しでもお役に立てれば幸いです。

よくある質問TOP10

その①
Q. 介護タクシーは車1台1人で開業できますか?

A. 基本的には出来ます。

絶対に必要なのは、二種免許を持っている人です。

ただし、地域によっては「運転手と運行管理者は別々の人を選任しなさい」という指示があります。

運行管理者は登録する車両が5台未満であれば無資格者でも選任出来るので、その場合にはご家族やご親族等にご協力をお願いして下さい。

その②
Q. 介護の資格を持っていないと開業出来ませんか?

A. 資格はなくても開業できます。

営業許可を受ける車両に車椅子を固定できる装置がない場合のみ、介護の有資格者が必要です。

その③
Q. 申請時点で車を購入しておく必要はありますか?

A. いいえ、必要ありません。申請時点では見積書だけで大丈夫です。

個人的な意見としては、許可が下りるまで車両は購入しないで下さい。

その④
Q. 車両の見積書を提出し、許可が下りた後で車が売り切れてしまっていた場合は?

A.一般的な回答としては、「見積書で出した車両と同じ型式・同じ金額・同じ設備の車両を購入してください」となります。

車体番号までは一致していなくても大丈夫、ということです。

もし見積書とまったく異なる車両の型式を購入する場合には「運輸開始前変更届」という手続きが必要になります。

その場合の注意点としては、変更後の車両でも営業許可要件を満たせているかどうかです。

例えば見積書ではタントだったけど、やっぱりハイエースで許可を受けたい・・・といった場合です。

タントよりもハイエースの方が車体の長さも幅も大きいです。そのため、ハイエースでは許可を受けた駐車場に入らない可能性があります。

そうなると、ハイエースを購入しても許可が下りません。

このようなことも起こりうるので、見積書と違う車を購入する場合にはご注意ください。

その⑤
Q. 法令試験って難しいですか?

A. そんなに難しくないと思います。

営業許可を取得するためには、運送法関連の法令試験に合格しなくてはいけません。

この法令試験ですが、関東 + 山梨県は除外されています。関東以外の地域で開業する事業者の方は法令試験の合格が必須です。

受験対象者は、以下のようになります。

個人事業主の場合 ⇒ 本人
法人の場合 ⇒ 取締役

法令試験なんて聞くと、びびっちゃいますよね・・・。しかし、私とお付き合いのある方々に法令試験の合格までの受験回数をうかがったところ、肌感覚にはなりますが、1回目で合格した方が60%、2回目で合格した方が35%、2回目以上が5%という感じです。

○×問題なので、普通に対策すれば大丈夫です。

対策方法は、近畿運輸局のホームページにて法令試験の過去問が公開されています。そちらをご参照下さい。
近畿運輸局|一般乗用旅客自動車運送事業(個人タクシーを除く)の法令試験について

その⑥
Q. タクシーメーターの設置は必須ですか?

A. 必須ではありません。

介護タクシーの運賃は、距離制と時間制の2つで構成されています。

時間制は30分〇〇円、といった感じで、距離制は私たちが普段乗る普通のタクシーをイメージして下さい。
 

この「距離制」で運賃を収受しないのであれば、タクシーメーターは設置しなくても大丈夫です。

その⑦
Q. 介護タクシーの開業に使える補助金・助成金はありますか?

A. ないわけではないのですが、基本的には関係ないケースが多いです。

1) 補助金について

補助金は確かに対象となるものはあります。

しかし年度や地域によって補助金は種類が変わります。

例えば、昨年は神奈川では介護タクシーに使えそうな補助金はあったけど、東京にはなかった。しかし、今年は神奈川でも募集していない・・・みたいな感じです。

よって、その都度探して良さそうな補助金が見つかったタイミングで申請を検討する、といったことになります。

補助金で例を挙げるとすれば、以下のようなものはありました。

【対象】
・ 一般のタクシー会社

【補助金が出された内容】
・ スロープなどの設備を導入する費用
・ ユニバーサルデザインへの改造にかかる費用

 
この例から考えると、介護タクシー事業者向けの補助金とは言えないかもしれません。

2) 助成金について

介護タクシーを開業するから!という理由で対象になる助成金はありません。

助成金は雇用保険料が主な原資なので労働者のために行う施策に対して支払われます。

よって、介護タクシーを開業する=助成金、という考え方ではなく、自社には労働者がいるかどうかで助成金の対象になるかが決まるということがほとんどです。

今後新たに労働者を雇うご予定があったり、労働者のために福利厚生の充実化や新たな制度を構築するといったことにご関心があるのならば、それに見合った助成金を適用申請するといったところですね。

その⑧
Q. 介護保険タクシーを始める際の注意点を教えてください。

A. 以下の5つの注意点を全てクリアしないと開業できないのでご確認ください。

介護保険タクシーを始める際の注意点

① 法人化する

② 訪問介護事業所の指定を受ける

③ 営業用車両の他に自家用車両をもう1台用意する

④ 登録する介護の有資格者が過去2年以内に事故を起こしていない

⑤ 介護の有資格者が適切な講習を受講している

 
※ 関連記事「訪問介護事業所としての指定要件をわかりやすくまとめた」もご参照下さい。
 
よく勘違いをされることの1つに、介護タクシーの営業許可を受けた事業用の車両で介護報酬を請求できる搬送業務ができる、ということが挙げられます。

事業用車両では介護報酬は請求できません。

あくまでも、自家用車両でケアプランに基づき搬送するということが重要です。

よって、車は事業用車両の他にもう1台、自家用車両が必要になります。


 
介護報酬を請求できる介護タクシーの営業許可については、こちらで詳しく知ることができます。
・動画 ⇒動画でぶら下がり許可について説明致しました
・記事 ⇒介護タクシーでよく聞くぶら下がり許可とは何?

その⑨
Q. 営業許可を取りたい場合、まず何から着手すればいいですか?

A. 次の順番で着手してください。

① 二種免許を持っているか?
 ⇒持っていなければ、取得を最優先して下さい。

② 個人事業主/法人 どちらで開業するのか?を決める

③ 車は持っているものを使うのか/これから買うのか?を決める

④ 事業に使えるお金はいくらあるのか?
 ⇒200万円以上は用意できるのかを確認しましょう。

 
ここまで着手・確認すればあとは法律のお話になります。ご自身が要件を満たせているかどうか調べる、専門家を頼る、といった選択肢になります。

その⑩
Q. 介護タクシーって儲かりますか?

A. 人によります。

全ての事業に共通していますが、儲かる人もいれば儲からない人もいます。

私がやっている行政書士、社労士も同様です。

とはいえ、皆さんに何かしら情報をお伝えしたいという気持ちは持っています。

そこで私のホームページでは、お付き合いのある介護タクシー事業者さんで、魅力的な取り組みをされて地域に愛されている方やメディアに出られるほどご活躍されている方のインタビュー記事を載せています。⇒記事はこちら

ご関心のある方はどうぞご覧ください。

最後に

今回は「介護タクシー開業!!よくある質問TOP10」というテーマでお話ししました。

皆さんの疑問解消に少しでも役に立てたなら幸いです。

とはいえ、悩みや疑問は人それぞれです。

ご不明な点があればお気軽にご連絡下さい。