介護タクシーの協会やグループに加入する必要はあるか
開業時にグループに加入するかどうか悩んでいる人向けの記事です。私は協会やグループに加入するのは必要ないと考えています。理由は記事内でご確認ください。
タクシーは二種免許さえあれば車一台で独立出来ます。
開業時にかかる目立ったコストは福祉車両と任意保険くらいなので、比較的リスクが低いことも事実でしょう。
そういう背景から、業界未経験者が介護タクシーを始めることは珍しくありません。
自分も独立しよう!と決心し、インターネットで色々と調べると未経験者の不安を煽る文言をよく目にしませんか。調べるにつれ、許可手続きや介助の技術など思ったより難しそうだと思ったのではないでしょうか。
不安にかられるとそれを和らげてくれるものに寄り添いたくなるのが人間です。その1番さいたるものが介護タクシーのグループではないでしょうか。
ホームページを読むとスタートアップを手厚くサポートしてくれそうですよね。最初はグループに加入して色々と教えてもらい軌道に乗ったら独立しようと考え人も多いはずです。
でも待って下さい。
グループに加入することは本当に必要でしょうか。
説明会などに参加すれば、入らないとやっていけないという印象を必要以上に与えられると思います。
グループに加入することがダメだとは言いませんが加入することのデメリットも当然あります。あなたがグループに加入する必要はあるのか見極めましょう。
このページを読むことで介護タクシーを新たに始める人がグループに加入する必要性があるか知ることが出来ます。
大前提として・・・
たまに聞かれることなんですが・・・
『介護タクシーのグループに加入しないと、独立出来ないんですよね?』
介護タクシーを起業するためには、どこかのグループに加入しないと始められないのかという質問です。
そんなことはありません。
介護タクシーのグループは一般社団法人やNPO法人が主体となっていることが多いので、公共性が高いイメージを持つと思いますがグループに加入する義務は全くないです。
開業に必要なことは国から営業許可を受けることです。営業許可を受けるための費用は登録免許税の3万円で、あとは事業所ごとに必要なコストは異なります。
少なくともグループに加入する入会金は入りたい人だけが支払えばすむお金なのでご注意下さい。
では許可を取ろう!と思えば誰もが許可を取れるというわけではありません。
許可を受けるためには要件(条件)があり、それを満たしていることを証明出来なければ許可は取得出来ません。
許可要件については介護タクシーの開業を考えている人必見!5分で分かる許可要件でご確認ください。
グループに加入することは必要か
グループに加入するメリットは、それぞれのサイトで詳しく書いているのでここでは触れません。
そのページを読んだ上で、本当に加入することは必要なのか?という目線で読み進めてください。
ここからは個人的な意見を書きます。
私はグループに加入することは必要ないと考えます。
理由は以下の通りです。
一つずつ確認しましょう。
とにかく高い
話を聞くと、グループに支払うお金がとにかく高いです。
なぜでしょうか。
それは起業に必要な物を揃えるのにグループの提携先のお店を利用することが義務付けられることがほとんどだからです。(福祉車両、保険会社、行政書士etc)
グループは提携先から紹介料を貰えるのでその分を加入者が支払うのは当然ですね。
一回、とあるグループの加入時の内訳書を見せてもらったことがあります。記憶に強く残っていることは福祉車両の200万円、行政書士の書類作成代金の25万円です。
福祉車両の200万円が高くて驚いたのではなく、1番安い車両を選んでその値段だったことです。
新品にこだわるなら別ですが、中古であればハイエースでも130万円程で購入出来ます。(中古で許可取得している事業所はたくさんいます。)
また行政書士の書類作成代行料金の25万円は一般的に考えて高いです。このページを見ている人は仮に私に頼めば半額以下で済みます。
私以外の行政書士に頼んでも18万円くらいが相場ではないでしょうか。
グループも商売なので、仲介料を設けている以上どうしてもその分は高くなります。
おいしい仕事はまわってこない
グループに加入すれば、お仕事がもらえることが多いようです。
しかし私の聞く限りでは、新たに加入した事業所がもらえる仕事は決していいものではないと感じます。
例えば世田谷区なのに葛飾区の仕事など地理的に離れているものや、予約が入るかもしれないから予定を開けてといて結局依頼がなかったなどです。
普通に考えれば、質の良い仕事は仕事を振り分ける人や古参の事業所がもらいますよね。
介助技術を教えてもらってお金が貰えるのであればそれで良いと考える方もいるでしょう。しかし、それであれば独立する必要はないですよね。
介護タクシーの運転手の求人はあります。介護タクシーでなくても、運転手を募集している介護施設で働けば介助技術もお金も手に入れられます。
むしろ後者の方が顔を覚えてもらえて独立する際に有利に働く可能性だってあるわけです。
そう考えると、お金を払ったのにおいしい仕事が回ってこないことは明らかにデメリットでしょう。
運転手の組合がある
介護タクシーは予約制なので、どんなに人気のある事業所でも車の台数分しか受け付けられません。
そういう背景もあり、介護タクシーの運転手は運転手同士でネットワークを組んでいると耳にします。(グループとは違い、地域を軸に集まっている)
私が知っている運転手の組合ではお客さんを断るくらいなら信用できる事業所に紹介するという風土で助け合っています。今は開業したてでそういった情報がないと思いますが、しばらくすると運転手の組合が見つかるかもしれません。
まとめ
以上が介護タクシーのグループに加入する必要はあるのかという問に対する私の意見です。
私の意見なので、もしあなたがグループに加入を考えていて、費用が高いと思わない&おいしい仕事が来ると思うのであれば加入すれば良いでしょう。
デメリットばかり挙げましたが、全てのグループが私が書いたようなグループではないです。しかし、こういうグループがあることも事実です。
独立時のお金は貴重です。グループに加入することは必要なのか、価格は適切かしっかり判断しましょう。
では逆に。
どういう人がグループに加入するのが良いのでしょうか。
私は営業が苦手なら加入しても良いと思います。
お金が入ってこないと生活が出来ないので、割に合わなくてもまずは事業に慣れて顔を売ることが大切です。ただしスタートアップの車両選び、任意保険、事務手続きは全て済ました後に加入しましょう。
コストが抑えられることはもちろんですが、最初から丸投げの姿勢で独立することに疑問を抱かざるを得ないからです。
許可を受けてからでも加入出来るグループは多いです。まずは自ら選択しましょう。
逆に入る必要がない方は既存の介護事業者です。
デイサービスや訪問介護の事業所がグループに加入するかたまに悩んでいますが不要でしょう。
なぜなら既に利用者をある程度見込めているからです。ノウハウよりヒアリングで自社の利用者に適切な輸送サービスを提案する方が効果的だと思います。
介護事業の指定申請・許可をお考えのお客様へ
介護事業の営業許可は法人を設立してから指定を受けるなど細かな手続きが求められます。
いざ自分で申請書を書こうとしても、介護行政は似たような用語も多くて理解するの時間がかかってしまうことも。
そのために開業準備や退職前で忙しい時期に思うようにことが進まなく、開業時期がどんどん遅れてしまうこともありえます。施設系の許可であれば空家賃のリスクをも孕んでいます。
このサイトをここまで読んだあなたは
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当サイト内の記事では開業で悩まれる方々に向けた開業情報やお役立ち情報をなるべく分かりやすく公開しています。
また皆様のご家族にも活用できるような介護行政サービスや介護保険制度の解説の記事もあります。
どうかお役立てください。
介護事業の開業で分からないことがあれば気軽にご相談ください。
当サイト監修
行政書士として各種許認可を中心に年間300件の相談を受ける。
特に介護行政の手続きには力を注ぎ、許認可取得のアドバイスから開業後のコンサルタントまで幅広く活動。
上田貴俊行政書士・社会保険労務士事務所
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